暮らしの原点回帰

“Life returns to its essence.”

『何を持つか』ではなく『どう在るか』

指先ひとつで、世界中のものが手に入る。
知りたい答えも、一瞬で目の前に現れる。

情報も、物も、選択肢も、かつてないほどに溢れている。

そんな時代の中で、私たちはいつも何かに追われ、何かと比べ、次の何かを求め続けている。速く、正しく、効率よく。日常は、隙間なく埋め尽くされていく。

けれど、人が人であることの豊かさは、きっと、そこにはない。

ゆっくりと呼吸を整えること。
今この瞬間に、心を置くこと。
目の前のものに、静かに触れること。

目まぐるしく変化する時代において、私たちが今必要としているのは、そうした小さくて、確かな感覚なのではないだろうか。そして日本文化には、その感覚を取り戻すための深い答えがある。

classtoが目指すのは、その答えを今の暮らしへとひらき、人々がもう一度「深い呼吸」を取り戻すための入り口である。

文化や伝統を懐古として守るのではなく、現代の暮らしに再び機能させ、未来へと継承可能な文化を醸成していくこと。受け継がれてきた文化を、現代の暮らしに溶け込むかたちへ。それが、《classto》の根幹である。

『classto(クラスト)』の由来

classtoというブランド名は「classic」と「to」を組み合わせた造語です。『classic to』という表現を直訳すると、「古典(クラシック)への」「古典につながる」「伝統的なものへの」という意味になります。

ここでのclassicは、単なる「古典的」な意味にとどまらず、「時代を超えて普遍的に美しいもの」「本質的で洗練された暮らし方」を意味しています。一方、toは「〜へと導く」「つなぐ」「回帰する」というニュアンスを込めています。

『classto』には、情報やモノがあふれる現代において、あえて時代を超えた価値観や伝統的な美意識、本質的な暮らしへと回帰し、それらを新しい視点で再解釈して現代や未来へと繋げていくという願いが込められています。

20代の終わりに、私は文字通り、すべてを失いました。京都にたどり着いたのは、自ら選んだというより、流れ着いたという方が近いかもしれません。東京を離れ、この街での暮らしが気づかないうちに私のなかに染み込んでいき、いつの間にか、また息ができるようになっていました。救われたというより、知らないうちに支えられていた、という感覚です。

そして、自分のなかに立ち上がってきたものを形にしたとき、これを世界へ、未来へと手渡すことが、自分の使命であるように感じました。私を立て直してくれたあの感覚を、いま同じところに立っている誰かが、世界のどこにいても受け取れたら。

日本が世界に誇れるものが詰まったこの街。1000年の都、京都から世界へ。季節の呼吸を纏いながら、《本質に還る》ことで見えてくる豊かさを、私自身の生き方そのものとして、世の中へ伝えていきます。

classto 明星 愛加那

明星 愛加那(みょうじょう あいかな)

classto 代表/founder

京都を拠点に、文化編集ブランド「classto(クラスト)」を主宰。「暮らしの原点回帰」をコンセプトに、禅、侘び寂び、陰翳、二十四節気、といった日本古来の精神文化と感性を、現代の視点で再解釈。掛軸をアートプロダクトとして捉え直し、床の間を「暮らしの中の聖域《サンクチュアリー》」として提案。プロダクト、空間、デジタル表現までを横断し、現代の空間や暮らしに溶け込む文化の醸成を目指す。